《かまいたち》キングオブコント2017優勝おめでとうございます! 関西芸人のお笑いオールラウンダー、満を持して東京進出!

かまいたち2

《にゃんこスター》ではありません。優勝したのは《かまいたち》なのです!爆発的なインパクトで今年の《キングオブコント》の話題をかっさらっていった感のある《にゃんこスター》の影で、着々と東京進出の準備をしているであろう《かまいたち》。あなた達の時代ははたして来るのか、来ないのか?

今年も面白かった、キングオブコント2017。出場者10組、それぞれの特色を生かした素晴らしいコントを見せてくれました。実力者《かまいたち》の優勝で、大ファンの僕的には大満足の結果だったのですが、困った事に《にゃんこスター》のリズムなわとびのダンス映像が頭から離れてくれないのです。

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トップバッターは《わらふじなるお》。面白かったのですが点数は伸びなかった。やっぱり賞レースのトップはかわいそうですね、多少のハンディーがあっても良いのではないでしょうか? 設定も、ボケ、ツッコミも全てオーソドックスなネタで、演技力も空気感も完成度が高く、雰囲気が、《サンド イッチマン》に近い感じでした。時々意味不明のボケをツッコミがスルーする、変な感じの間があったのですが、僕はその間が斬新な感じがして好きでした。今後は、ボケの藤原のシュールなイメージをもっと前面に押し出してほしですね。

次に登場したのは、ファイナルステージに進出した《ジャングルポケット》 終始前出しの芝居で、哀愁を感じないコントはあまり好みではないのですが、演技力とストーリー性のあるネタで笑いに持っていく力技は、年々完成度が高まっており、ファイナルステージに進出する実力は流石です。松本が指摘していた、エレベーターのドアの開閉のタイミングは、やっぱり気になりますよね。細かい所ですが、気になってネタに集中出来なかった。

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そしていよいよ《かまいたち》の登場。これぞ《かまいたち》ともいえる最高のネタでした。ボケの山内のイケてない学生キャラに、絶妙のツッコミを入れ込む濱家山内のキャラの、気持ち悪さから異常性が垣間見え出し、それが次第にエスカレートするパターンは《かまいたち》の真骨頂。終盤、畳み掛けていく緊張感も素晴らしく、投げっぱなしのオチも変な開放感を伴って、秀逸のコントでした。

《アンガールズ》田中の実力は誰もが認める所ですが、二人のキャラクターに頼ったコントは既に知れ渡っているので、不利な感じは否めなせんでしたが、ギリギリでファイナルステージに進出を果たします。

《パーパー》は、普段はもっと面白いのですが、少し緊張してしまったのか、大きく噛んでしまいましたね。ネタとボケ担当のほしの一人で笑いを作っている感があり、相方の山田は芸人の意識があまり無い様に思います。しかしそのコントラストが独自の空気感を醸しているので、お笑いとは不思議なジャンルですね。

優勝候補《さらば青春の光》は、やっぱり凄いし面白い!全てにおいて完成されており、完成されていないのはコンビ名《さらば青春の光》のみ、改名すべきです。よりによって《さらば青春の光》って…。

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で、問題の《にゃんこスター》の登場なのです。《南海キャンディーズ》以来の衝撃とインパクト! 素直に面白かったし、笑わせていただきました。 ツッコミのスーパー3助は、そこそこの芸歴があり、ツッコミの技術は手慣れておりました。これをキッカケにメディアに出まくるでしょうから、今後その対応力を問われる事でしょう。なわとび担当?のアンゴラ村長もちょうどいい感じのそこらへんのお姉ちゃんで、このネタにピッタリのキャラクターでした。

《にゃんこスター》が場を荒らしまくったステージの後で登場した《アキナ》《GAG少年楽団》《ソフィー》の三組は、本当にお気の毒でした。いくら上手いコントをやったって、《にゃんこスター》以上のインパクトを重ねない限り、ウケる訳がないのです。それにしても、《アキナ》《にゃんこスター》の直後のネタ、これで良かったのでしょうか?

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そしていよいよ〈ファイナルステージ〉

僕的には《かまいたち》《さらば青春の光》の2組が群を抜いていました。《にゃんこスター》の二本目も面白かったのですが、やはり一本目の焼き直し感が否めず、優勝するまでの評価は得られませんでした。

《さらば青春の光》の二本目は一本目とボケ、ツッコミが入れ替わりますが、設定力、 構成力、演技力の三拍子揃ったコントは、優勝してもおかしくない程お見事な物。来年こそは優勝して欲しい物です。

そしてそして、去年の雪辱を晴らした《かまいたち》。二本目のネタは、打って変わって、二人の体格差を生かした身体を張ったネタで、このコンビもボケとツッコミが入れ替わっており、この辺りも《かまいたち》の芸の深さが表れております。山内のツッコミの言葉のセンスが抜群で、身体表現言語表現が重なった、よリ面白いコントを見せてくれました。

《かまいたち》は関西ではレギュラー番組を沢山抱えた人気コンビなのですが、東京進出を虎視眈々と狙っており、この優勝を機に、全国区の売れっ子になってほしいものです。既に、漫才、コント、ラジオ、ロケと、全てをこなせる実力を備え持っている《かまいたち》、後は、 東京の空気に如何に早く順応出来るかが鍵となるのでしょう。

くせの強い《千鳥》も時間はかかりましたが、今ではしっかり順応出来ているので、きっと大丈夫でしょう。

ガンバレ!かまいたち!

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《かまいたち》の優勝で幕を閉じた《キングオブコント2017》。 相対的にレベルが高く、新人といえども全てにおいて完成度が高く仕上げていないと戦えない事がハッキリしました。

今回、最高のインパクトを残した《にゃんこスター》 を始め、今売れている、《アキラ100%》《ブルゾンちえみ》《サンシャイン池崎》など、最近のお笑いの傾向として、誰も傷つかない平和な笑いが多いように感じます。相互の格差(ブスと美人、勝ち組と負け組など)を笑う物は受け入れがたくなっているのでしょうか? だって、とんねるずの《保毛尾田保毛男》の復活があれほどにバッシングされるのですよ。

《にゃんこスター》の笑いも大好きなのですが、《かまいたち》の優勝で何故か救われた思いのする僕などは、既に古いのでしょうか?

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おしまい