タイタンから産まれた突然変異種漫才コンビ《キュウ》は、まぎれもなく令和の正統派しゃべくり漫才師なのです!

漫才キュウ

《ボケ》の異常性を遥かにしのぐ《ツッコミ》の異常なつっこみ。その《ツッコミ》をつっこみたくなる第二の《ツッコミ》の立ち位置で見せられる観客は、知らず知らずのうちに異常な言葉遊びのしゃべくり漫才《キュウ》に洗脳されてゆくのです。


今年の冬も異常気象で、極寒からいきなりの春日和からの極寒からの春日和からの… キリがないので止めますが、それに加え新型コロナの第三波に襲われ、令和日本はもう訳の分からない混乱をまねいているのですが、
もっと訳の分からない漫才コンビがタイタン所属の《キュウ》

からす


僕はつい最近まで全然知らなくて、去年の《M-1グランプリ》敗者復活戦で見た

「ゴリラであいうえお作文すんなよぉ~っ!」

「ヨーグルトの話聞けよ!!」

《ツッコミ》清水誠のフレーズが頭から離れず、毎晩《キュウ お笑いオフィシャルチャンネル》というYouTubeの番組を見まくり、今じゃすっかり《キュウ》の世界に洗脳され、

(き) 傷つかない漫才なんかくそくらえ!
(ゆ) 油断するなよお前たち!
(う) うるさいアンチは皆殺し!

(き) 気が狂うほどの発想力!
(ゆ) ゆるすぎるテンポは天下無双!
(う) 浮ついたお笑いファンは皆殺し!

と、(キュウ)であいうえお作文しまくりの今日この頃(ってゆうか、(う)のパート怖ぇーーよっ! 皆殺すなよっ!)。

からす

はい、つまらない前置きはこのくらいにして、今回は僕が今すっかりハマっている漫才師《キュウ》のご紹介です。

年末の《M-1グランプリ》《マヂカルラブリー》の優勝で幕を閉じたのですが、その後、「はたしてあれは漫才なのか?」の議論が巻き起こり、《マヂカルラブリー》にネタを一つ提供してあげたことはよかったのではないでしょうか。

《M-1グランプリ》の運営が《マヂカルラブリー》決勝進出を決めた時点で漫才認定が済んでいるわけで、誰が何と言おうと漫才なのです。 実際、会場の笑いや僕の笑いの量も《おいでやすこが》と共に一番だったので、何の異論も無いのです(しかしながら僕的には優勝は《見取り図》でした)。

で、後でジワジワ来たのが《オズワルド》。一度見ただけでは聞き逃してしまうワードが散りばめられており、何度見ても楽しめる漫才で、評価が低すぎたように思えました。
念願の決勝進出をはたした《ウエストランド》は、笑神籤(えみくじ)の籤運に恵まれず最後の出番で、無念の9位。 その後お二人は、新型コロナウイルスに感染してしまい、究極の《持ってない芸人》を満天下に知らしめたのでした。

からす

毎年、一番見ごたえのあると言われている《敗者復活戦》もしっかり見たのですが、中でも断トツに斬新で楽しかったのが《ウエストランド》と同じ事務所タイタンの後輩《キュウ》

ボケの《ぴろ》とツッコミの《清水誠》からなる漫才コンビ。 結成は2013年なのですが一度解散、そして2015年に再結成している珍しいパターン。
ネタは、ほぼボケの《ぴろ》が考えているそうなのですが、その発想力と展開、そしてオチに至る言葉遊びのセンスは唯一無二。今までの漫才のパターンをなぞらず、独自の質の笑いを創造しているという意味で、なかなか一般には伝わりにくいと思われるのですが、いまや時代のスピードは加速度的に進んでいるので、《M-1グランプリ》決勝に進むのも時間の問題では無いでしょうか(ただ、この芸風がM-1でハマるかどうか?)。

《キュウ お笑いオフィシャルチャンネル》YouTubeの番組はほぼ見たのですが、すべて斬新で面白い! 何本かご紹介


《ボケ重ねツッコミなし見せられ漫才》

『干支』     「ねぇ~」「いぃーーーっ!」絶叫大会



他にも  


『好きな食べ物』  とにかくいろんな工程を経た大豆醤油につけて食べるもののお話
『ドラえもん』  《青達磨》《丸眼鏡バカ太》《リサイタル好男》《裕福》の物語
『ルパン』     濁点の数合わせ合戦


ボケのぴろが十分な間をとりながら振る意味不明のボケを ツッコミのくせに清水がすべて受け入れて、さらにそのボケを上回るボケで返す。
これを延々とやるのですが、観客の予想を大きく超えた角度でボケが次々と展開。不条理なボケ合戦を見せられ続ける観客のそれぞれが、心の中でツッコミを入れざるを得ないのです。 
理解しがたく取り残されてしまう観客もいるのでしょうが、今でにない新しいパターンの笑いの質を産み出したキュウの才能には脱帽なのです!


《カメラ目線ツッコミ・めっちゃええやん!漫才》

『オリジナルの曲』       もうたぶんこれ、おじさん側に問題があるやん! ハワイのおじさんもヤバそうやん!

他にも 


『オリジナルのゲームソフト』  即刻裁判やん! お前、自分の脳みそ全然使わんやん! 

『オリジナルの映画』      お前が本当の、映画泥棒やん! ルールの崩壊が速いやん!    

『ラーメン屋』         回転率バカ悪いやん! めっちゃ頑張ったのに辱められてるやん! 

これは、ライブで受ける形の漫才。 清水がしっかりツッコミの役割をはたしている?のですが、「めっちゃいいやん!」という全肯定の決め台詞のあとに、カメラ目線の顔芸を伴って否定的なツッコミをする清水のワードセンスが抜群で、ツッコミで笑わせるパターンなのですが、ここでもぴろの展開するボケの角度が予想外で、おもわず唸ってしまうほどに秀逸なのです。

からす


時代が令和になって、お笑いの世界も今までにない新たな才能が溢れ出てきています。今流行りの《誰も傷つかないお笑い》も良いのでしょうが、世の不条理をそのまま映し出してくれるお笑いも時には必要だと思ってしまうのは、僕がモンティパイソン世代のジジィだからなのでしょうか?

最後に、

漫才はくそつまんないけど、時代に逆らって活躍する《鬼越トマホーク》もガンバレ!!

おしまい