M-1予選《Dr.ハインリッヒ》は今年も面白かった!なのに何故? 今年こそ決勝の舞台に立つイカした二人を見てみたかったのだが……。

Drハインリッヒ22

今年も、M-1の決勝進出の夢は叶わなかった《Dr.ハインリッヒ》。この漫才スタイルは、いつまでたっても評価されないのか? 今のままの不遇がこれ以上続くと、関西漫才界の至宝は本当に羽衣をまとって天空に飛んでいってしまうぞ! それで良いのかーーーーーーっ!!

M-1決勝に今年も名前がない!僕の大好きな《Dr.ハインリッヒ》は何処に行った! な、なんと3回戦で消えているのです! さっそくそのネタを観てみたのですが、わたくし的には、羽衣をまといて飛び上がりたくなる程に面白かった! なんで準々決勝にも行けないのか、サッパリわからないのです。 《Dr.ハインリッヒ》的にはM-1用に一般のお客さんにも十分楽しんでもらえるネタを持って来ており、映像で見る限りでは会場のウケも、良かったように感じたのですが……。

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やはり、あの独特の間と不思議なセンテンスの言い回しやイントネーションは、受け入れられないのでしょうか? の哲学的な解り難いボケを 丁寧に繰り返しながら、不思議なテンションでつっこむのスタイルは、既に完成の域にあると思うのですが…。

今後、どのように演出すれば《Dr.ハインリッヒ》の漫才は一般のお客さん(M-1の審査員)に届くのでしょうか?

小ボケを多く入れて笑いの量を増やしたら、あの独特の雰囲気が崩れるし、説明的にツッコむ事で伝わりやすくすると、文学的なイメージが削がれます。導入部ののこうありたい、こう考えた、とする動機を 何でそう考えたかをもっとわかり易く説明する事で共感を持ってもらうことも出来るのでしょうが、 その時点でクソつまんなくなるだろうし…。

素人の僕が考える事なんか、《Dr.ハインリッヒ》のお二人は既に、腐る程考え尽くしているはず。だとしたら、漫才はこのままで、このスタイルの雰囲気を面白がってもらう空気を、ステージに登場した所から一秒でもはやく作る事が勝負なのでしょう。

とするならば、お二人のキャラクターをよリ強調してみるのもアリなのではないでしょうか?

ボケのは、今以上に気難しく普通ではない佇まいを演出し「あー、こいつだったら何時もこんなヘンテコリンなことを考えているんだろうなぁ」と出て来た瞬間に観客に思わせます。

一方、ツッコミのは、 あくまで観客側のスタンスで、常識的な佇まいをつくり込みます。

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おそらく、今もそのスタンスで役割分担をやっているのでしょうが、一目瞭然に伝えるため、登場した瞬間の、見た目の佇まいでそのスタンスを瞬時に観客に伝える事が出来れば、《Dr.ハインリッヒ》の世界に、よリ早く、より違和感なく、誘う事が出来るのではないでしょうか?

お二人ともオシャレで、カッコいい漫才、男前な漫才を目指しているのでしょうが、その範囲内(僕的には大きく逸脱してほしい)で、もっともっと、コントラストをつける事が出来ないものでしょうか?

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何としても売れてもらって、

様々な楔から解き放たれしあかつきに、あえて地上波テレビのネタ番組等にて、一般受けなどさらさら気にされず、艶やかな羽衣をまといて飛び回る、お二人の、自由奔放、縦横無尽に語られる、形而上学的漫才をわたくしは拝見してみたいのでございます!

文学的、哲学的、形而上学的な漫才を出来るのは《Dr.ハインリッヒ》を置いて他にないのですから。まして女性漫才師の手によって、この手の漫才をやる事に大きな意味があるのですから。

現実的思考の強い女性が、一番苦手な哲学的思考のネタをやる事によって、男漫才師と肩を並べる事が出来、 今まで色物の中のさらに色物的な扱いをされていた、女芸人のステータスも一気に上がって行くはずなのです。

鳥居みゆき、Aマッソ、日本エレキテル連合、そしてわれらが《Dr.ハインリッヒ》は何としても頑張っていただきたいのです!

関連記事:《Drハインリッヒの憂鬱》“文学的苦悩” を重ねる女漫才師。それでも今年は過去最高、M-1準々決勝まで進んだんやけど…。

://blog.akiyoshi-zoukei.com/katsu/archives/2586

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さて、いよいよ12月3日に開催される、《M-1グランプリ2017》決勝戦がせまって来ています。

決勝進出を果たしたメンバーは、皆強者揃い。

僕的に頑張ってもらいたいのは、《R-1グランプリ2017》で優勝しておきながら《にゃんこスター》にすべての話題を持っていかれた感のある《かまいたち》。もし優勝すれば、史上初の2冠達成!

さらには、《とろサーモン》。15年目にして待望の決勝進出!準決勝のネタの受けはイマイチでしたが、そこはベテラン、満を持して決勝に望んでくるでしょう。

久々の決勝進出は、《ジャルジャル》。他にはない独特の漫才スタイルは、はたして決勝の観客にハマるのか?準決勝のネタは、さすがとしか言いようのないものでした。大好きです。

そして大本命《和牛》大阪じゃべくり漫才の最高傑作と言っても過言ではないほどの完成度。その実力をはたして本番で発揮出来るのか?

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最後に、準決勝で僕的に一番面白かったのは《ウエストランド》 久々にこの人達の漫才を見たのですが、やっぱり面白い!会場の受けは一番良かったように思ったのですが、何故…。敗者復活戦に残って決勝進出し、ガツンとやってほしかったのですが…。《漫才》というカテゴリーで見た時に、評価されにくいのでしょうか。

あと、今密かにハマっているのは《四千頭身》。久々に最高に面白い漫才トリオが出てきました! しかも全員20歳のフレッシュさ! とは行っても芸風はちっともフレッシュではないのだけれど…。真ん中のツッコミ、後藤拓実の佇まいと独特のツッコミは既にベテランの域。両サイドの都築拓紀石橋遼大のダブルボケに後藤拓実のツッコミで展開される漫才は、それほどの新鮮さはないのだけれど、なぜか非常に新しいのです。新時代漫才の新しい風として大旋風を巻き起こしそうな予感がします。

それでは最後に一言。

Aマッソ…………、頑張れーーっ!

おしまい