《沢田研二 50周年記念LIVE》観戦記 50年50曲・豪華絢爛!百花繚乱!ジュリー狂乱! その時々に咲かせた花々が、今宵一夜にして咲き誇る!

ジュリー百花繚乱

ジュリー69歳!今なおステージ上で戦っております。今年還暦のジジイが見た《沢田研二 50周年記念LIVE》鳥栖市民文化会館大ホール大会。徹底的主観で語る、沢田研二の現在。※本来は鑑賞記なのでしょうが、ジュリーは未だ戦っているので、観戦記といたします。

まず始めに。この観戦記を書くため、筋金入りジュリーファンの方々のブログやライブレポートを数々拝見いたしました所、驚いた事に沢山のブログで、この《からすの落墨》ジュリー記事を紹介頂いておりました。母や姉を通してしかジュリーを語れないような僕が書いた戯れ言を、生粋のジュリーファンのお姉様方に読んでいただけている事は、身に余る光栄です。記憶違いや間違えも多々あろうかと思いますが、お許し頂き、改めまして御礼申し上げます。

ありがとう御座います。

からす

さて、いよいよ生ジュリーで御座います。 おそらくそのほとんどが女性ファンであろうジュリーのコンサートに、還暦ジジイが一人で観に行くのも勇気がいるもので、当初はかみさんと一緒に行き、かみさんがジュリーの大ファンで、僕はその付き添いで仕方なくついてきました的なスタンスを演出しようと思い、姑息にも、かみさんを誘います。

   今度鳥栖でジュリーのコンサートがあるんよ、一緒に行かん?

   ジュリーって、沢田研二?

僕   そう。

   まだ歌いよったと?

   メチャクチャ歌っとるわっ! 50年、ずぅーーーーと歌っとるわ、こっちは! しかも、メチャクチャ上手なっとるわっ、こっちは! (と、なぜかキレ気味の関西弁)

悲しいもので、世間の認知度なんてこんなものなのです。

嫁   え? けど、何時からジュリーのファンになったと?

   母ちゃんが好きやったろ?

   お母さんが好きやったんは知っとるけど、私、ジュリー知らんし…、イケメンやらカッコいい人あんまり好きやないけ。

「なんば言いよるとですかぁ!あぁーたは、嵐の櫻井翔のファンやなかですかぁ!あれは、イケメンやないとですかぁ!カッコ良くないとですかぁ!」 と、今度は武田鉄矢になって心の中で叫びながら、

僕   今のジュリーなら大丈夫(何が大丈夫なんだ?)! 歌を聴きに行くんよ、今、歌が本当に凄いんやけ、損は絶対にさせません!

   私、12月にのコンサートに行かないけんし、ジュリーにそんなん興味もないし…、やっぱり行かん、家で嵐のDVD見とく。

「ジュリーと嵐、どっちが大事なんですかぁ!」と再び武田鉄矢になって心の中で叫ぶのですが、即答で「嵐!」とシュミレーション。

ものの3分で僕の姑息な計画は暗礁に乗り上げ、簡単に挫折。しかし、ブログにも沢山ジュリーネタ書いているし、今現在のジュリーの歌の響きを聴いてみたいし、やぱり一人でも思いきって行ってみようと、チケットの算段。たまたま所用で行けなくなった、ジュリーファンのお姉様が近くにいらして、チケット1枚を譲り受けます(U様、ありがとう御座いました)。

からす

さぁ、これで還暦ジジイのぼっち参戦決定! 覚悟を決めていざ、会場の鳥栖市民文化会館へ! セットリストやMCの内容等は、素晴らしいレポートを上げてらっしゃる生粋のファンの方々にお任せ致しまして、僕は徹底的な主観で語らせていただきます。

からす

鳥栖市民文化会館には開場時間5分ほど前に到着。すでに大勢のジュリーファンとおぼしきお姉様方が入り口付近に集まっておられます。 入場後、開演時間がせまった館内を見渡すと、所々虫食い的に空席はあるものの、ほぼ満席。ジジイ率も1割程で、危惧していた程いづらい空気はありませんでした。

どんな興行でも、開演前のお客さんの期待感の高さは、その空気でわかるもの。一番後の席より徐々にテンションが高まり、最前列に行くにしたがって、これから始まるステージを期待するファンの高揚した感情の波動が大きく感じられます。

開演前に流されたジュリーの幼少期から現在に至までの映像で、会場のテンショ ンはよリ高まります。この時点で良いステージになると確信して、一安心。

からす

実は、観戦記を書くと宣言したものの、もしジュリーのステージがつまらなくて僕自身が感動しなかったらどうしょうと、一抹の不安があったのです。 このブログを始めるにあたり、一つだけ決めていた事は「本当に感動した物だけを記事にする。それ以外は一切記事にしない」というもの。

しかし、しかし、しかし!

幕が上がり、ステージ上はジュリー鉄人バンドがスタンバイ! いきなりテンションマックスの《あなたに今夜はワインをふりかけ》が始まると、そんな不安は一瞬にして吹っ飛びます。

不安は吹っ飛んだのですが、初っぱなから何故か涙が溢れだし、止まらなくなってしまったのです。家を出る時、仏壇のジュリー狂だった母親に「ジュリーのライブに行くけ、一緒について来い!」と声をかけていたので本当について来たのか、一連のヒット曲を聴いているうちに、ますます泣けて来て、泣けて来て、泣けて来て…。

からす

僕は今まで、ジュリーの歌はバラードの方が好きだったのですが、ライブでは、やっぱりロッケンロールが最高ですね。その上、ジュリーのヒットしたロッケンロールは、僕の大好きな歌謡曲のエッセンスがふんだんに盛り込まれているので、底抜けに軽くて明るいのです。

その時代その時代の世間の風をいっぱいに受けて作られた数々のヒット曲は多種多様で、ジュリーが歌い踊ることによって極彩色の大輪の花々となって蘇ります。

なんの舞台美術も施されていない殺風景なステージが、ジュリーひとりのパフォーマンスで、豪華絢爛に光り輝くのです(しかしながら、還暦ジジイがジュリーの底抜けに明るいロッケンロールを聴きながら、涙ポタポタの様は情けない)。

やはり、腐ってもジュリー!69歳になっても、ジュリーはジュリーなのです! 

からす

白髪になろうが、シワだらけになろうが、メタボだろうが、そんな事はまったく気にならなくなる程に、ステージ上のジュリージュリーでいてくれるのです。

それなりに良い席で見せてもらったのですが、途中から全盛期のジュリーが重なって見え、夢を見ているような錯覚に陥ります。

舞台狭しと走り回るジュリーは独特のダンスを踊ります。上手で地団駄、下手で地団駄、舞台中央に戻って、再び地団駄!最後は大きくジャンプ5回(ただし観客は3倍程の高さに飛び上がる映像に自己修正が必要です)飛び上がるジュリーの姿で、やっと現在のジュリーに戻るのですが、「あ!ジュリーがジュリーのかぶり物をしている!」と、思わず叫びそうになった僕は、どこかおかしくなっていたのでしょうか?

さらに、ジュリーは、往年のヒット曲を何のアレンジもせずに、全曲当時のまんまのメロディーで歌ってくれます。ほとんどの歌手が、年齢を重ねるに従って、声量と歌唱の技量が落ちる為、アレンジと称した誤摩化しをやるもの。これをせずに、70のジジイが原曲のキーも下げずに(僕的にはそう聴こえました)、どストレートに歌い、尚かつ歌唱の技量と、声量が当時より上がっているという、信じられないパフォーマンスを繰り広げるのです 。よほど常日頃の鍛錬を重ねていないと出来る技ではありません。

まさに、いまだに進化を続ける現役バリバリのロッケンローラー!

さらに、鉄人バンドの音の厚みの凄まじいこと! バンドメンバーがたったの四人だと知った時、薄くて軽い音だったらいやだなぁ、と思っていたのですが、個々の技量が超凄い! 特に感激したのは、僕が唯一知っていた、いまだジュリーと共にいる、ギターの柴山和彦さん。井上堯之バンド解散後、ジュリーのバックバンドのギタリストとして加入した頃から、そのギター演奏は大好きでした。この人の演奏も、当時のフレーズを忠実に再現してくれ、このギターの音を聴くと、ジュリーのヒット曲のイメージが大きく大きく広がってくるのです。

それからドラムの音もとてもキッレキレで気持ちよかった!女性のドラマーで、グレースという人なのですね。

からす

その素晴らしいバンドの音に乗せたジュリーの歌は本当にストレートに響きます。変にシャウトしたり、フレーズ毎にクセを付けたりせずに、本当にストレートに歌うのです。 しっかりとした技量と声量の下地があってこそ可能な歌唱なのでしょうが、多分に誤摩化す事が許せないジュリーの性格がそうさせるのでしょう。 さらに、齢69にして50曲(ショートバージョン)歌い踊りながら、ぶっ続けで2時間半! 凄い!

豪華絢爛!百花繚乱!ジュリー狂乱!

様々な極彩色の花々を咲かせた、ジュリーのステージはあっという間に終了。最後のアンコール曲、《いくつかの場面》で、たっぷりバラードを聴かせてくれ、ライヴは終了します。

50年の永い年月の間、そのビジュアルは、当たり前のように大きく変化してしまったのですが、ステージ上のジュリーのパフォーマンスは、その総合力おいて進化し続け、何時までもジュリージュリーで輝いてくれていることに、多くのファンは救われるのでしょう。

からす

約半数程のお客さんは、かけ声や、決ったフリを楽しそうにやりながら終始立ちっぱなしで、声援を送っていました。50代60代のお姉様方がほとんどで、 途中、子育てや、家事等で中抜けがあったにせよ、50年の年月をジュリーと共に歩んで来たはず。

そのお姉様方の一人一人にも、深い深い人生があり、 その人生と、ジュリーの50年の深い深い芸能生活が重なった時、その互いの50年の全てをおおらかに肯定し、オールオーケーの人生として受け入れ、ジュリーの咲かせたステージ上の花々は、会場にいる全ての人々に対しての人間賛歌とてして、豪華絢爛に咲き誇ったのです。

そのステージ上の花々は、25年余りの時を越え、僕の亡くなった母の全人生にも手向けられたのでした。

からす

ここで、これからのジュリーに向けて僕が強烈に望む事を、無責任に語らせていただきます。

妄想劇場

ジュリーの咲かせる花々は、どれも人知れず咲く可憐な花なんかではなく、蘭、薔薇、百合、牡丹等の、匂いたつ大輪のゴージャスで光り輝く花々なのです。僕は、マイナーなミュージシャンもメジャーなミュージシャンもどちらも大好きですが、ジュリーは、メジャーもメジャー、大舞台で歌ってこそのジュリー

1500人程度のホールでは収まりきれない程の輝きがあります。 日本中を、いや世界中を遍く照らす程の輝きなのです。もっと もっと、沢山の人達に見てもらいたい感じてもらいたいのです。

だからやっぱり、何としても今一度テレビに出まくってほしい! 

とびっきり楽しく、明るく、華やかな、本物の日本のロックンロール歌謡の大ヒット曲を今一度華々しく放ち、今の世に知らしめてほしい!! 

70のジジイにして現役の本気のパフォーマンスを見せつけてやってほしい!!

そして、本物のキラッキラの、超ゴージャスなエンターテェーメントで、今の沈みきった歌謡界を救って欲しいのです!!

その為には、今の時代、ほぼ不可能とされている純粋な意味でのヒット曲を何としても出して欲しい。

とにかくお金と時間を掛けて、今の時代に合った、超キャッチーで、超売れ線で、超イケイケな、何処までも明るいロックンロール歌謡の新曲をジュリーに歌ってもらい、何としても、オリコンデイリーランキングウィークリーランキングベスト3入りを目指します。

《澤会》というジュリーのファンクラブの会員はどれくらいなのでしょうか? 会員を仮に1万人だとして、一人最低5枚買えば5万枚。初動で5万枚いけば、少なくともベスト3入りは可能なのではないでしょうか? そうなれば、沢田研二の名を再び各メディアが取り上げます。

何の興味のない 一般の人達の耳にも沢田研二の名が再び知れ渡り、それと同時に新曲も聴いてもられるはず。本当に良い曲であれば、その後もそこそこCDも売れるはず。

そしてそして、各局が定期的に開催している音楽祭に出演します。現役バリバリのロッケンロールジジイ・ジュリーが、並みいるミュージシャンをなぎ倒し、 本物のエンターテーメントを満天下に知らしめるのです。

そしてそして、来年の大晦日、古希の沢田研二が今現在の大ヒット曲を引っさげて、華やかに復活!! 紅白歌合戦再出場ーーーーーーーーーーっ!!

からす

はい、ここまでが《からすの落墨》妄想劇場なのですが、今回のライブのMCで、ジュリーが語った「人の心を動かすのにマニュアルは存在しない、だから売れていない時こそ、ただただ、一生懸命に努力する事しか僕にはなかった。」という言葉がすべてなのでしょう。

ジュリーの努力とその想いは、時をかけてファンに徐々に伝わり、今回の全国ツアーが可能になったのでしょう。だから今度はそのファンの一人一人の想いを重ねて、重ねて、重ねて…。

風はきっと起こります。平成の時代、想いが形になるスピードは異常な程。ひとたび風が巻き起これば、この《からすの落墨》妄想劇場は、もしかしたら現実化するかも…。

豪華絢爛!百花繚乱!ジュリー狂乱! 

来年の紅白歌合戦、ジュリーの勇姿再び! を祈願して終りといたします。

おしまい