ワム《ラスト・クリスマス》 ポストモダン・ジュークボックスのジャズアレンジで生まれ変わった素晴らしいカバーバージョンは如何ですか?

ラストクリスマス

2015年に、ポストモダン・ジュークボックスのYouTubeチャンネルで配信された、ワム《ラスト・クリスマス》。アンドリュース・シスターズ風のアレンジでボリュームたっぷりに生まれ変わっております。更には、真っ赤なドレスの美しいお姉さんが、ご機嫌なタップダンスを披露してくれます! 

長く続いた《緊急事態宣言》も解除され、今年のクリスマスの街は、沢山の人出が予想されます。 昭和の時代は、欧米のように家族でクリスマスを祝う人が多かったように思うのですが、バブル前夜の昭和59年、日本でリリースされたのが、ワム《ラスト・クリスマス》。 

これ以後、バブル景気の爆発的な盛り上がりと共に、日本のクリスマスは《恋人たちのクリスマス》の時代が始まります。 モテない男のひがみなのは十分自覚しているわたくしなのですが、当時のバブルのバカ景気と《恋人たちのクリスマス》でバカ騒ぎする、日本の風潮が大嫌いだった僕は、大ヒットした《ラスト・クリスマス》も好きにはなれず、

「ケッ!アホどもはこんな軟弱なクリスマスソングを聴いとけば幸せなのか? 男は一人静かに《サイレントナイト》を聴きながら、聖夜の星空に涙するのだ!」

と強がっていたのですが、その涙は恋人の出来ない悔し涙だったことを今にして思うのです。

からす

そうはいっても、ワム《ラスト・クリスマス》はそれほど好きにはなれなかったのですが、5年程前にYouTubeで見つけた《ポストモダン・ジュークボックス》のチャンネルでジャズアレンジされた《ラスト・クリスマス》の映像を観た時、飛び上がって喜び、この曲、こんないい曲だったのかと再認識したのです。 

僕の大好きなアンドリュース・シスターズ風に三人の迫力満点の女性ジャズボーカリストが美しいハーモニーを聴かせてくれ、途中からこれまた僕の大好物のタップダンスのパフォーマンスを美しいお姉さんが見せてくれるのだからたまりません。 

今までのひがみ根性は宇宙の彼方へ、いとも簡単に《ラスト・クリスマス》が大好きになった、単純で、節操の欠片も持ち合わせていない、還暦すぎのジジィは、まったく違う意味で、夜の星空に涙するのでした。

からす


そんなことはどうでもいいのですが(なら書くなよ!)、やはり《ポストモダン・ジュークボックス》YouTubeチャンネルは最高なのです。 アップされたほとんどの映像を観ている僕なのですが、このチャンネルのミュージックビデオは歌だけではなく、ちょいちょいセンス抜群の小芝居を入れ込んでくれており、これが最高に楽しいのです。


《ラスト・クリスマス》のミュージックビデオもそんな小芝居が織り込まれており、粋なエンターテーメントを魅せてくれます。 クリスマスのデコレーションが施された家のリビング。 ピアノ、ベース、ドラムのリズムセクションに黒いハットを被ったクラリネットのお兄さん。 中央のスタンドマイクには三人の女性ヴォーカリスト。そして右端のスペースにぶんむくれの赤いドレスの綺麗なお姉さん。 

ご機嫌に歌う三人の女性ヴォーカリスト、そのハーモニーは耳に心地よく、楽しいはずのクリスマスなのに相変わらず不機嫌な赤いドレスの綺麗なお姉さん。 黒いハットのクラリネットのお兄さんは、赤いドレスのお姉さんの機嫌が直る方法はないかと思案しながらの演奏。 曲の半ばで思い出したのは、お姉さんの大好きなタップダンス。 

そこで光輝くアイテム、タップダンスボードをお姉さんにクリスマスプレゼント。 お姉さんの表情はみるみるうちに笑顔に。 ここから《ラスト・クリスマス》の曲に合わせた歓喜のタップダンスパフォーマンスが始まります。クラリネットとタップダンスのご機嫌な四小節交換! その時舞い上がる歓喜の花びらは、知らず知らずのうちに観るもの聴くものすべての人びとに降り注ぎます。

からす


 
サンタクロースが僕達に運んでくれる最高のクリスマスプレゼントは、今生きている喜びと幸せを感じ取ることの出来る自分自身の《感受性》の開花。
この《感受性》を開いてくれる鍵となる何らかのアイテムが最高のクリスマスプレゼントになるはず。 人は誰でも《感受性》を開いてくれる鍵(アイテム)の一つや二つ必ず持っているもの。たとえそれが人に認めて貰えなくても、一円のお金にならなくても、自分自身が生きる喜びや幸せを一瞬でも感じ取ることが出来たなら…。 

周りと比較したり、競争したりの自我の満足からの喜びは必ず因果を生みます。しかし、自身の魂がなんの損得勘定
もなく歓喜したとき、その歓喜は全宇宙に影響を及ぼし、そして自分の心に祝福という煌めきのクリスマスプレゼントが灯ります。

おしまい