水曜日のカンパネラの新メンバー《詩羽》 理屈を越えた魅力を全方向に放射しながら、今を歌い、今を踊り、今を生きる《測定不能のスーパー小娘》

水曜日のカンパネラ・詩羽

水曜日のカンパネラ・二代目ボーカリスト《詩羽》 サウンドプロデュースする《ケンモチヒデフミ》の手による《詩羽》ボーカルの新曲2曲のMVが、10月27日に公開。 水曜日のカンパネラの世界観は引き継いでいるものの、初代ボーカリスト《コムアイ》とは異なる、理解不能の出来事が起こるまさに《今》を表現しうるスーパー小娘が出現!!


小娘なんて表現をすると、世にはびこる《ジェンダー警察》に目くじらを立てられて怒られそうな昨今なのですが、水曜日のカンパネラの二代目ボーカリスト《詩羽》を表現するワードは《測定不能のスーパー小娘》としか思いつかない時代遅れの還暦ジジィ。 「何が悪いのか根本的にわかっていないのよぉーーーっ、あんたはっ!!」と怒鳴られれば、いつでも土下座して謝罪する用意のあるへなちょこ還暦ジジィに免じて今回ばかりはお許しをと、初っ端から泣きを入れたところで本題に入ります。

からす


《バッキンガム》より抜粋

バッキンガム
ケンジントン
アルハンブラ
バチカン
ジャイ・マンディル宮殿

モンテチトーリオ
カルロス
ベネチア
シントラ
パラッツォ・ファルネーゼ

ニコラエフスキー
シャルロッテンブルク

157-0064
東京都にある 世田谷宮殿
35度 39分 44.72秒
139度 35分 24.89秒
面積合計 0.846平方キロメートル

157-0064
東京都にある 世田谷宮殿


この詞の裏にある意味を探ろうと思えば適当にこじつけることも出来るのでしょうが、理屈抜きにリズムと言葉の響き、そして《詩羽》のパフォーマンスを頭を空っぽにして観ていると、令和ニッポンの発する音とリズムとの不思議なハーモニーを奏で、聴くものに、 半端ない 多幸感と中毒性を与えるのです。

今を生きる若者は、社会の比較競争原理の強烈なプレッシャーの荒波の上を乗り切っていくため、場の空気を迅速に察知し上手く読み切り、その場の空気を崩さないセンスのいいワードを瞬時に返せるのかに神経をすり減らし、そのスキルの有無こそが死活問題なのです。


昨今の《お笑い》のレべルの高さの要因は、学生の頃から鍛えられた比較競争原理の中での《場を読む力》《適切なワードセンス力》の賜物なのではないでしょうか。 それでもその集団に上手く馴染むことの出来ない者や、馴染めたとしてもそのプレッシャーに疲れ果ててリタイヤしていく者が大多数で、むしろリタイヤ組の方が正常なのではないかと思えるほど、令和ニッポンは病んでいるように思えるのです。


《詩羽》のパフォーマンスを観ていると(ケンモチヒデフミDir.Fを含む)、「そんなの関係ないし」と言いながらリズムとワードの響きだけで、その場と共鳴させ、支配しているように見えるのです。 そこには《水曜日のカンパネラ》のメンバーが意識している、していないに関わらず、

「人生に意味は問わない、その動き、その振動がすべてなんだよねーーーっ!」のメッセージが聴こえてきます。


まあ、こんなこと書いている僕こそが、どんなものにも意味を探してしまう時代遅れのジジィなのでしょうが。

《アリス》より抜粋

何でもない日を祝う茶会
不要不急のティーパーティ
意味のない毎日に意味を
探したけれど見つからず

謎の小瓶 謎の液体
「Drink Me」怪しいタグ
不思議な効能の飲み物
味付けはチェリーパイ

いんろんなことが
起こる世の中で
何でもない事を祝え

大きくなったり
小さくもなったり
夢の中ぐらい
自由に無邪気でいさせてよ

何でもない日も
何でもない夜でも
お祝いをしたら
特別なパーティになる

からす




この曲の歌詞は、《不思議の国のアリス》の世界観を借りて、今の時代を生きる若者の代表としての《詩羽》の日常の心理描写を描いています。 比較競争原理の中での《場を読む力》《適切なワードセンス力》に疲れ果て、相対性や平衡感覚を失った《詩羽(アリス)》


大きいは小さい  小さいは大きい
美しいは醜い   醜いは美しい
正しいは間違い  間違いは正しい
現実は幻     幻は現実


まさに《不思議の国のアリス》のような現実を生きていかざるを得ない《詩羽(アリス)》のたどり着いた境地が


♪いんろんなことが
起こる世の中で
何でもない事を祝え

♪ 何でもない日も
何でもない夜でも
お祝いをしたら
特別なパーティになる


これは禅宗の根本思想で《今を歌い、今を踊り、今を生きる》を繰り返しながら、何でもない日常の出来事の中にこそ宇宙の響きを感じること。

からす


水曜日のカンパネラの二代目ボーカリストととして《詩羽》《Dir.F》がオファーをかけた時の、Wikipediaに載っていたエピソードとして面白かったのは、何度か逢って対談した際、

「自身のテーマを持っていた」
②「芯がある」
③「ワクワクさせてくれる感じがあってもう一度会いたいと思わせてくれた」

という印象だけで、オーディションや歌唱の審査などは一切行わないまま決定したそうです。①と②を持ち合わせている女の子はそこそこいるのでしょうが、 「ワクワクさせてくれる感じがあってもう一度会いたいと思わせてくれた」子に出会うことは、本当に稀なこと。 意味や理由を深く探らず、響きあうハーモニーの気持ちよさや美しさで宇宙は出来ているのでしょう。


そう、宇宙からも同じように「宇宙に意味を問わないでね、この動き、この振動がすべてなんだよねーーーっ!」のメッセージが聴こえてきます。

おしまい