SMAP解散騒動も怪我の功名?  私、ジャニーズアイドルの味方です。

ジャニーズ

アイドルの括りには入らないのかもしれませんが、ジャニーズにとって脅威のエグザイルグループが飛躍的に台頭する中、一連のSMAP解散騒動で、ジャニーズ事務所は、その屋台骨を揺るがしかねないほどのダメージを負いました。しかし、エグザイルファミリーの勢いも、多少の翳りが見え始めた今、多様性に富んだジャニーズアイドルの逆襲が始まろうとしています。

芸能界を揺るがせたSMAP解散騒動は、木村拓哉、中居正広のジャニーズ残留、残り3人のジャニーズ退所という、何とも釈然としない結末で終焉を迎えようとしています。

ジャニーズ事務所上層部の前時代的な、あざといマスコミ操作も相まって、そのイメージは最悪のものとなっています。しかし、SMAPが消滅したことにより、その危機感からか、ジャニーズ内の風通しがよくなり、各グループ間の垣根が外れ、今、徐々に面白い展開を見せつつあります。

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僕の母親が亡くなるまで沢田研二(ジュリー)を愛した、生粋のアイドルファンであったものの、嫁がアラフィフデビューのファン歴5年、そして僕自身も、同じくアラフィフデビューのももクロファン歴6年、アイドルファンとしては新規も新規のひよっ子なのですが、ここへ来て、ジャニーズアイドルの動きがとても面白いので、身の程知らずを承知で語らせて頂きます。(見当違いでも怒らないでね)

https://blog.akiyoshi-zoukei.com/katsu/post-875

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僕は、PRIDE (総合格闘技イベント)が出現するまで、国際プロレス豊登(誰も知らんだろうなぁ)からの生粋のプロレスファンで、U.W.F.vs新日本全面戦争などを興奮して観戦していた口なのですが、この、格闘技競技者(アスリート)とプロレスラーを対比させる文脈で、エグザイルタレントジャニーズアイドルを対比してみると、僕的にはものすごく解り易いのです。

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で、そこらへんからのお話を。

ここ10年程、エグザイルファミリーの勢いは凄まじく、タレント育成システムから、タレント引退後のグループ内雇用環境の充実等、リーダーHIROの冴え渡るプロデュース手腕は、お見事の一言です。

このシステムは、HIRO自身がダンサー(アスリート)出身だけあって、それぞれの分野のタレントを、自社で育成し、一流のレベルまで達した者だけを厳選した上でデビューさせます。総合格闘技に置き換えれば、「打・投・極」のそれぞれのスペシャリストを選別、育成し、その総体を見せるということ。

打(歌唱)・投(ダンス)・極(演技)と置き換えると解り易いと思うのですが、それぞれの色が美しく連携し、上手くかみ合ってこそのパフォーマンスなので、高レベルな完成度を問われる訳です。

今の所、打(歌唱)・投(ダンス)・極(演技)の、各スペシャリストの組み合わせでのグループ表現ですが、今後凄まじいレベルの単体のオールラウンダー(総合格闘家)が出現することでしょう。

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それに対して、ジャニーズタレントの、伝統的な育成法はどうでしょうか?

はい、まさに野放し状態。

右も左も解らない小中学生のくそガキが、たいした訓練もしないまま、いきなり現場に放り出され、スタッフから数限りない罵声を浴びせられながら、そのタレント性を身につけなければならないのです。

詳しくは知りませんが(知らんのかい!)、エグザイルファミリーのような、歌やダンスの明確な教育システムなどなく、先輩の背中を見ながら覚えて行くシステム(江戸の職人かっ)。

そう、まさにプロレスラーと同じなのです(ここは相当詳しい)。 昭和のプロレスラーは、他競技の一流選手から流れて来たスター選手と、練習生からの叩き上げの2パターンがあり、ジャイアント馬場(プロ野球選手) とアントニオ猪木(ブラジル移民の一般人)の対立構造がその典型です。

ジャニーズタレントは、アントニオ猪木そのもので(あくまでたとえなので怒らない様に)、ブラジル移民のどこの馬の骨かわらない若造を身体が大きいというだけで日本に連れ帰り、非科学的なトレーニング(永遠とスクワット運動だけをやらせるなど)と、現場(プロレスの場合リング)で、観客の前に晒されながらそのスキルを身につけさせていくわけです。

プロレスラー格闘技競技者との一番の大きな違いは、格闘スキル以上に、観客にアピール(自身の喜怒哀楽を伝える)するための自己プロデュース能力表現力を求められるところ。

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このシステムで育成されたジャニーズタレントは、グザイルファミリーとは違い、打(歌唱)・投(ダンス)・極(演技)のスキルが個々によってバラバラなのです。そのうえ、プロのレベルに達していようがいまいが、未成熟のまま、打(歌唱)・投(ダンス)・極(演技)のすべてをやらされるわけです。ただ、最近のジャニーズJr.の育成法は、ある程度のシステムは確立されているようですが、それでも各々の自主性のもとで自己演出を要求されます。

さらに、バラエティー対応(お笑いやMC能力)という、 もしかしたらジャニーズタレントとして生き残っていくためには、一番大事なのかもしれない能力を大きく問われるのです。

これはプロレスラーが、観客にアピールするための自己プロデュース能力表現力を一番に求められることと、まったく同じこと。

そしてその最初の指導者がプロレスの場合、ご存知のようにあの力道山ならば、ジャニーズの力道山は当然、ジャニー喜多川となるわけです(You達、これもあくまでたとえなので怒らないでね)。

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昭和から平成初期の時代まで、ジャニー喜多川の野性的(ゲイならでは)な感性で、将来のアイドルを見抜く眼力は冴え渡っており、また、そのアイドルを組み合わせて、一つのグループにまとめる感性も、鋭いものがありました(ハズレも沢山あったでしょうが)。

当時は、そのシステムで、ある程度の意図(計算)を持ってアイドルを作ることも出来たのでしょうが、何が当たるのかを見極めることが非常に困難な平成の時代になって、さすがのジャニー喜多川の感性も通用しなくなっている(年齢的なものもあるでしょう)ようです。

そこでキーワードとなるのが《多様性》と《関係性》

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《多様性》と《関係性》とは?

進化論的な説明をすると、生物(アイドル)が未来永劫、永遠に生き残って行くには、単体(一種)では不可能で、多くの生物(アイドル)が直接的、間接的に様々な《関係性》を持続しながら豊かな《多様性》を目指すことで、はじめて可能だということなのです。

なぜなら 、あらゆる地球環境(ファンのニーズ)の変化に適応し、生き残っていくには、さまざまな適応性を持った、多種多様な生物(アイドル)が必要だという理屈なのです。

図らずも、ジャニーズアイドルは、前記の通り、いいかげんな(褒め言葉です)育成方法を取っているおかげで、他の芸能事務所に比べて驚く程、雑多で多様な生物 (アイドル)が存在します。それに比べて、エグザイルファミリーの育成法は、隙のないシステムの上にしっかりとした指導者を置いており、それはどこか軍隊的で完成度は高いのですが、必然的に同じ様(没個性的)な、生物(タレント)が沢山生まれる訳です。よって、今後の地球環境(ファンのニーズ)の変化に対応しきれない部分も出てくるのではないでしょうか?

もちろん完成度の高いものを好む観客にはベストな芸能で、大きく日本の芸能界の《多様性》を考えた場合、当然のように無くてはならない存在なのです。

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ここから集中的にジャニーズアイドルにおける《多様性》と《関係性》の話に入ります。

冒頭に書いた様に、SMAPが存在していた時は、その絶対的な派閥(善悪は別にして)ゆえ、グループ間の交流は限られており、なかなか競演し辛い空気が漂っていたのですが、一連の騒動後、その垣根は薄くなり、今まであまり目にしなかったジャニーズアイドル同士の競演が、頻繁に見られるようになりました。

それによってジャニーズアイドルの個々の特性が強調され、《多様性》と《関係性》が鮮明に現れ、観客にも明確に伝わってくるようになったのです。

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先日、V6森田剛が、何かのバラエティーに出演しているのを目にしたのですが、ハッキリ言って、《超ど級の変人》ぶりなのです(こんなん、野に放してはいけない)。V6ファンの方は当然のように認識されていたのでしょうが、一般の僕らからすると、競演していた櫻井翔との対比もあって、とても面白かった。

あくまでアイドルというカテゴリーは絶対に外すこと無く、それぞれのリアルな特質を出しながら、他のアイドルとの異差を見せたとき予測不能なハーレイションを起こし、見るものをワクワクさせてくれるのです。

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SMAPの香取慎吾を代表とするように、一般社会を一度も経験すること無く、小学生からジャニーズのアイドルとして成長した人間が、まともな訳がないのです。ハッキリ言ってジャニーズ事務所奇人変人の宝庫で、逆に言えば、それこそが最大の武器となるはずなのです。

芸能界、スポーツ界、そして将棋の世界でも予測不能の特出した才能を持った若者が、次々と出現する昨今、ジャニーズアイドルの世界でも、その原石はゴロゴロ転がっているはず。

その原石は、作られたものではなく《多様性》と《関係性》の中で磨かれ、自然発生するものなのでしょう。

を例にとると、ここまで売れた理由が、ジャニーズ事務所にもよく解らないらしいのです。5人の組み合わせは、例によって、ジャニー喜多川の野性的感性で選ばれたそうなのですが、華々しくデビューしてから以後は、鳴かず飛ばずで売れない時期があったそう。

その間に当初設定されていたであろう、それぞれのキャラクターが自然崩壊し、5人の《関係性》のなかで、自然発生的に現れたリアルな個性の上に、アイドルとしてのキャラクターが形作られたころから、の快進撃が始まったのでしょう。

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他者との《関係性》の中から自然に現れる、そのアイドルならではの個性(キャラクター)は、今の時代、大変大きな武器となるのですが、こればかりは事務所のコントロールは不可能なのです。

事実、第二のスーパーアイドル・を作るべく、その後、数々のアイドルグループを輩出しているジャニーズですが、第二のは、未だに現れておりません。

独自の、自然に醸し出されるグループ内の《関係性》をそのまま見せた空気感は、非常に心地よく、それをダイレクトに受け取り、支持したのがのファンであったのでしょう。

その空気感を如実に表しているのが、一連のキリンビールCMシリーズ

これは、それほどのファンでもない僕でさえ、見てていて心地よい気分にさせて貰え、がここまで売れた理由がわった様な気がしたのです。

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このアイドルの《多様性》と《関係性》をキーワードとして、豊富に抱えているジャニーズアイドルをより自由に活躍出来るようなフィールドを整え 、所属タレントを自由に放つことが出来たとき、ジャニーズ事務所は、現在の最悪なイメージを払拭し更なる飛躍を遂げることが出来るはず。

その為には、頭の古い年老いた上層部が第一線を引き、時代の波を感知出来る有能な人材をそのポストに据え、体制を整えることは必須なのでしょうが、たして可能なのでしょうか?

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最後に勝手な提案を一つ。

2009年、NHKBS「ザ少年倶楽部プレミアム」をたまたま見たのですが、そこで再結成された幻のグループ、《平家派》(TOKIOの城島・山口・国分、 V6の坂本・長野・井ノ原の6人)で歌われた、光GENJI《Graduation》には、本当に度肝を抜かれたのです。

国文太一のアレンジと、ピアノ伴奏だけのアカペラに近い歌唱だったのですが、楽曲の良さ(チャゲアス)もさることながら、その完成度と独特の歌唱法は、長年ジャニーズタレントを続けて来たオッサンアイドルでしか出せない味が、滲み出ていたのです。

ジャニーズアイドルでも歌の達者な人が、それなりの練習を重ね本気で歌えば、ここまで感動させることが出来ることに驚愕し、もっと沢山の人達に聞いてもらわないと非常にもったいないと思ったのです。

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ジャニーズのグループ間の垣根が外された今、様々な即席ユニットを組み、ジャニーズ《多様性》と《関係性》をふんだんに活用したパフォーマンスをテレビで披露し、ジャニーズアイドルの底力を世に知らしめることは出来ないものでしょうか?

今や、様々なジャンルで、そのスペシャリスト達と対等に活躍するジャニーズアイドルも沢山いる中、最初からアイドルという色眼鏡で見られる為、世間的には、あまりにも評価が低すぎるのです。

先ほどの《平家派》のように、歌唱に特化した人選をし、ジャニーズ独自のアレンジで、しっかり聞かせたり、ダンスのスキルの高いアイドルを集め、 ジャニーズ独自のダンスパフォーマンスを披露したり、バラエティー対応能力や、お笑いのスキルの高いメンバーを人選し、コントやコメディードラマを演じてみせる等、深夜の30分枠の番組でいいので、やって貰えないかなぁ。

スケジュールの調整可能なメンバーで、毎回違ったユニットを組んでいけば可能なんじゃないでしょうか?

それだけの人材は(小学生からオッサンまで)十分揃っているはずです。

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そして僕的には、最終的に、ジャニーズタレントのオールキャストで、底抜けに明るい、スカスカの和製アイドルミュージカルを見てみたいので御座います!

逆境に負けずに、ガンバレ、ジャニーズ!

改めまして、

私、ジャニーズアイドルの味方です。

おしまい