苦節11年。正当派しゃべくり漫才『銀シャリ』ついに花開く!

銀シャリ

いやぁ〜っ、今年のM−1決勝、面白かったし、レベルもすこぶる高かった。決勝に出て来たすべての漫才コンビは、その特徴を生かしたネタを披露してくれましたが、安定感抜群の王道漫才コンビ『銀シャリ』の優勝は、異論のないところ。

去年のM−1決勝のネタのパターンとそれほど変わっていないのに、格段に面白さを増した感のある『銀シャリ』。 ボケと突っ込みの絶妙な間とバランス。ボケののキャラクターを生かしながら、細かく丁寧なツッコミで笑いの量を何倍にも増幅させる橋本のテクニックには、改めて感服致しました。この人の演技力は凄い!今後、役者としても通用するので はないでしょうか?

からす

これといった斬新さはなく、オーソドックスに展開していくネタの流れなのですが、どこか落語のご隠居さん八っあんの掛け合いにも似た、あたたかさや優しさを感じさせてくれます。昨日今日では築けない漫才師としての佇まいや安心感は、 老若男女を問わず誰もが楽しめる、まさに王道のしゃべくり漫才コンビです。

今後東京進出して、全国区で大活躍してほしいものです。

からす

惜しくも優勝を逃した『和牛』も抜群に面白かった。最初から決勝に残っていないのが不思議なほどの安定感で、敗者復活戦と決勝の3本のネタどれもが同じように平均して面白く、これだけのレベルのネタを3本揃える実力は凄い!

ネタの安定感ではトップだったのではないでしょうか。

からす

同じく、優勝決定戦に残った『スーパーマラドーナ』
二本目のネタは圧倒的で、会場での笑いの量は、一番大きかった様に思いました。もともと実力は認められてはいるものの、あとひとつメジャーになりきれなかったのですが、ツッコミの強面 、武智の執念をテレビ画面からひしひしと感じました。

展開の意外性が素晴らしく、非常に良く練られたネタでした。

からす

個人的にツボだったのは『ハライチ』。今回のM−1決勝で一番笑わせてもらいました。既に独自のスタイルを確立し、澤部のキャラクターもメジャーとなった今、改めてどのような漫才で勝負して来るのかと楽しみにしていましたが、伝家の宝刀、 澤部のノリボケも生かしつつ、ボケの岩井の特徴を生かしたゲームネタ。岩井のネタ作りの新境地を見た思いでした。 審査員の得点がいまいち伸びなかったのですが、万人に理解出来るジャンルのネタで、もう一度勝負してほしいものです。

からす

キング・オブ・コントの時から大好きだった『さらば青春の光』も面白かったですね。大変良く練られた独特のネタ構成プラス、コントで養われた抜群の演技力で展開していくスタイルは、「漫才」というカテゴリーの中では賛否があるのでしょうが、その斬新な発想力はもっともっと評価されて然るべきだと思います。

からす

今年は、初めて敗者復活から見たのですが、実力者ぞろいで皆面白かったです。ただ、決勝に出て行くためには後一つ、大事な「何か」が必要なのでしょうね。素人の僕等には到底わからない、その「何か」は、それぞれが苦しみながら、見つけていくものなのでしょう。

しかしながら『Aマッソ』。やっぱり今のままでは決勝進出は難しい。コンビ間の間の悪さと突っ込みの表現力及び演技力の不足なのでしょうか?

からす

今回、改めて思ったのは、ツッコミの演技力の重要性でした。決勝に残ったすべてのコンビのツッコミ担当の演技力は例外なく素晴らしく、その演技力とセンス次第で笑いの量は何倍にも増幅する事を再確信しました。

日本の芸人のレベルの高さは驚くべきもので、今の芸人さんは本当に大変だなぁと改めて思います。

『かまいたち』『とろサーモン』『ジャルジャル』『メイプル超合金』『Aマッソ』

来年こそはみんな頑張れ!

おしまい