リオ五輪閉会式で披露された2020年の東京大会プレゼンテーションは大変素晴らしく、 全く興味のなかった東京五輪が、俄然興味が湧いてきました。(相変わらず単純やなあ) 中でも音楽で参加の《H ZETTRIO》が素晴らしかった。
最近、ジャズは全然聞いていなかったので知りませんでしたが、木村カエラ・椎名林檎などのサポートも勤め ている、H ZETT M氏のピアノは、軽快なリズムの上を超絶テクニックで駆け抜け、多幸感、疾走感溢れる、 まさにハイスパートピアノトリオといった感じのハッピーな演奏でした。
本来ジャズが持っていた、エンターテイメントのパフォーマーとしても才能豊かな三人で、幅広い世代の ファンを魅了しているのも納得がいきます。 そもそも初期のジャズは、乱痴気騒ぎの楽しい演奏で、サッチモ、キャブ・キャロウェイ、デュークエリントン、 カウント・ベイシー等は一流のエンターテナーで、目で見て楽しく、耳で聞いて心地よく、踊って歌っての 大衆娯楽ミュージックでした。
《H ZETTRIO》に触発されて久しぶりにジャズを楽しみましたが、最初は、軽快で明るいスイングジャズや サッチモを気持ちよく聞いていたのですが、時間が経つにつれどうしても本来のマイナー気質が首をもたげ、 ビバップからモダンジャズ、そしてフリージャズに突入してしまうのです。
そこで本題のコルトレーン。
いやーっ、やっぱりいい!! 暗くてもいい、難解でもいい! 良いものはやっぱりいいのです。 マイルスグループ時代から黄金のカルテット時代、そしてフリージャズ時代。 それぞれの時代で演奏スタイルは大きく変貌を遂げて行くのですが、どの時代の演奏もみんなちがって みんないい! 麻薬的な中毒性を含んだシーツ・オブ・サウンド。深夜ヘッドホンで大音量で聞いていると、何か色々な事が どうでも良く思えてくるのですが、これってどうでも良くないんでしょうね、きっと。
何はともあれ、コルトレーンは短い生涯を音楽だけを信じて全力で駆け抜けた、天才ミュージシャンである事は 間違いないのでしょう。
ここで僕にとってのコルトレーン、アルバムベストスリー。
第三位 バラード コルトレーンの最もポピュラーなアルバム。テナーサックスでスタンダードなバラードばかりを歌い上げた珠玉の一枚。 初めてジャズを聞かれる方にも心地よく楽しめるはず。
第二位 至上の愛 当時のコルトレーン哲学を音で表現するとこうなりました的な、まさにスピリチュアルジャズ。 宗教と同じで、一度ハマるとなかなか抜け出せなくなる、麻薬的な一枚です。
第一位 ブルートレイン ドラッグ中毒まっただ中の演奏。でもこの時のコルトレーンは何か神がかっています。 コルトレーンサウンドの中で唯一、僕を宇宙空間まで解き放ってくれたアルバム。ビバ!シーツ・オブ・サウンド。
興味がおありでしたら、ぜひ一度聞いてみて下さい。
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