1950年前後の古き良きアメリカ映画音楽をベースに、現代のアシットジャズやヒップホップのエッセンス香る、おしゃれなダンスミュージック。(踊るリッツの夜)のタコ(古い!)や(Hyper Beat!)のダルファーなど、オランダポップスは時々僕の胸にドーンと突き刺さります。
ラジオから流れて来たカロの(A Night Like This)に、一発でジュンとやられたのは3年程前、何とも言えないレトロな雰囲気に、現代のエッセンスが入り込んだ不思議な曲で、その後は、カロの曲を片っ端から聴きあさりました。去年、来日公演が東京であったのですが…。
行きたかったなぁ。
もともと1940〜1950年代にかけてのMGMミュージカルが大好きで、その音楽を聴くと何故か強烈な郷愁にかられるのです(まだ生まれてもないのに)。なのでウッディアレンの(ラジオ・デイズ)なんかは自分の幼年期と妙に重なってしまい、もう涙ものでした。
カロの音楽は、レトロなだけではなく、今風のスクラッチDJやアシット等も取り入れ、ご機嫌なラテンのリズムがふんだんに使われているので、今の時代に受けるのも必然でしょう。その音楽性はもちろんド・ストライクなのですが、やっぱりその声、声質がいいんですよ!年齢は当時30才を越えた頃で、ジャズシンガーとしてはまだ若いのでしょうが、その声は何とも艶っぽいのです。
やっぱり女性シンガーは艶がないと魅力的ではありません。ビリー・ホリデイやエラ・フィッツジェラルド、サラボーン やカーメン・マクレエなど、あのビジュアルで(本当にごめんなさい!)何とも可愛いのです、愛らしいのです、そして本当に艶っぽい! こればかりは持って生まれたものなのでしょうね。
舞台の上で生身をさらして何らかのパフォーマンスをする職業では、やはり持って生まれた素質がものをいいます。 修練や努力で補えるものもあるでしょうが、そのパーソナリティーは嘘をつけません。いくら装飾を施してもその核となる本質にリアリティーがなければ成立しないのではないでしょうか。
どの職業でも、自分の特性や個性をしっかり認識した上で、自己プロデュースする事は、成功の一番の近道。成功する事がすべてではないのですが、食べて行ける程度には需要がないと、その職業を続けていけないのが悲しい所。
で、カロ・エメラルド。
ファーストアルバム『Deleted Scenes from the Cutting Room Floor』セカンドアルバム 『Shocking Miss Emerald』の2枚は、どの曲を聴いてもカロ・エメラルド、ほとんどハズレがありません。全曲アレンジも素晴らしく本当に飽きさせません。
MVも恐ろしくオシャレで、これも必見です。
ジャズシンガーの円熟期は50代からと言いますから、今後の活躍も楽しみですね。